【行政書士が警鐘】厚労省が本気?外国人雇用の「刑事告発」も辞さない厳格化の波

2026年6月、厚生労働省の上野大臣から、外国人雇用に関する非常に強いメッセージが発信されました。単なる啓発活動に留まらない、実務上の大きな転換点となる内容が含まれています。

今回は、雇用主の皆様が特に注意すべき「厳格化」のポイントと、行政書士としてのアドバイスをまとめました。

1. 「知らなかった」では済まされない:刑事告発も視野に

今回の発表で最も衝撃的なのは、不法就労を防止するための「外国人雇用状況の届出」に対する姿勢の厳格化です。

  • 届出の未提出や虚偽報告: 従来の助言や指導に従わず、適正な届出を行わない事案については、警察等への情報提供や刑事告発を行うことが明示されました。
  • 不法就労の摘発: ビザ切れなどの不法就労を把握した場合、これを受け入れている事業主を厳格に処罰する方針が強調されています。

これまでは「うっかり忘れていた」で済んでいたケースも、今後は厳しい法的措置の対象となるリスクがあります。

2. 事業主が実施すべき「自主点検」と管理体制

厚労省は、事業主が自ら管理状況を確認するための「自主点検表(チェックリスト)」を新たに導入しました。実務で求められる具体的なアクションは以下の通りです。

  • 在留カードの確認: 雇用時だけでなく、離職時もハローワークへの届出が必須です。
  • アプリによる真偽確認: 在留カードが偽造されていないか、専用の読み取りアプリ等で確認しているかどうかも点検項目に入っています。
  • 業務範囲の確認: 従事させる業務が、その外国人の在留資格で認められた範囲内であるかを厳格に確認しなければなりません。

3. 「生活支援」も事業主の責務に

今回の指針では、単に働かせるだけでなく、外国人の日本での生活をサポートすることも事業主の努力義務(責務)として位置づけられています。

  • 日本語教育への支援。
  • 日本の生活習慣、文化、風習などの理解促進。
  • 地域社会の行事や活動への参加機会の提供。

「国がやるべきこと」と放置せず、雇用した以上は日本社会に馴染ませるための面倒を見る、という姿勢が強く求められています。

4. 公平なルールの徹底:適正な雇用主は守られる

一方で、ルールを守っている事業主や外国人に対しては、非常にフェアな仕組みとなっています。

  • 差別の禁止: 国籍を理由とした差別的な取り扱いや、妊娠・出産を理由とした不利益な扱いは、明確に法律違反として取り締まりの対象となります。
  • 権利の保障: 正しい手続きを経て就労している外国人に対しては、日本人と同等の適切な待遇と権利保障が求められます。

まとめ:社会的信用を守るために

届出義務違反に対する罰金(300,000円以下)そのものよりも恐ろしいのは、「不法就労を助長している企業」として公表され、社会的信用を失うことです。一度失った信用を回復するのは容易ではありません。

これからの外国人雇用は、「管理の徹底」と「共生への支援」がセットで求められる時代です。


投稿者プロフィール

杉﨑議一
杉﨑議一
愛知県岡崎市のビザ申請の専門家です。国際結婚・離婚や家族滞在、永住許可などの、身分系ビザ申請で多くの実績をがあります。 元公立中学校教員として外国人生徒の日本語、教科、進路指導を行い、日本語指導ボランティアとして外国人の日本語指導を行ってきました。
資格 申請取次行政書士 宅地建物取引士
趣味 ツーリング

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