【解説】新制度「育成就労」で実務はどう変わる?日本語能力・費用・管理体制の重要ポイント
2027年までの開始が見込まれている「育成就労制度」。これまでの技能実習制度から何が変わり、受け入れ企業や我々専門家はどう対応すべきなのでしょうか。最新の情報を元に、実務上の大きな変更点を3つの視点で解説します。
1. 日本語能力の要件化:N5からN4へのステップアップ
これまでの技能実習制度では、日本語能力に明確な指定はありませんでした。しかし、育成就労制度では進捗に応じた能力が求められます。
- 就労開始前: A1相当(または講習の受講)
- 1年経過時: A1相当(日本語能力試験N5程度)のレベル
- 3年終了時: A2.2相当(日本語能力試験N4程度)への合格
3年間の育成就労を経て「特定技能」へ移行することが前提となっているため、最終的には特定技能の基準であるN4レベルへの到達が必須となります。企業側も、日常的なやり取りができるレベルまで計画的に育成する視点が求められます。
2. 外国人本人の費用負担を軽減:借金による失走を防ぐ
これまで、送り出し機関へ支払う高額な手数料が原因で、外国人が多額の借金を背負って来日し、それが失走(不法残留)につながるケースが少なくありませんでした。
新制度では、外国人本人が支払う費用の上限が「日本での給料2ヶ月分」に設定されます。 これまでは国によって負担額にバラつきがあり、60万円前後かかるケースもありましたが、今後は公平性を保ち、本人の負担を大幅に軽減することで、健全な就労環境を整える狙いがあります。
3. 管理団体の厳格化と「外部監査人」の設置義務
管理団体は「管理支援機関」へと名称を変え、その許可基準はこれまで以上に厳格化されます。
特筆すべきは、「外部監査人」の設置が義務付けられる点です。 外部監査人には、弁護士、社会保険労務士、そして我々行政書士などの専門家、あるいは制度に精通した者が選任されることになります。制度の透明性を高めるため、専門家によるチェック機能がより重要視されるようになります。
まとめ: 「選ばれる企業」になるための準備を
育成就労制度の本質的な転換点は、「3年で帰国する」前提から「3年で技術と日本語を学び、長く日本で働いてもらう」前提へと変わったことです。
また、一定の条件下で「転籍(職場移動)」が可能になるため、受け入れ企業にとっては、職場環境を整えて「長く働きたい」と思われる努力がこれまで以上に不可欠となります。
制度開始まで1年を切る中、管理費の上昇などのコスト面も含め、今のうちから新制度を見据えた準備を進めていくことが重要です。
投稿者プロフィール

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愛知県岡崎市のビザ申請の専門家です。国際結婚・離婚や家族滞在、永住許可などの、身分系ビザ申請で多くの実績をがあります。 元公立中学校教員として外国人生徒の日本語、教科、進路指導を行い、日本語指導ボランティアとして外国人の日本語指導を行ってきました。
資格 申請取次行政書士 宅地建物取引士
趣味 ツーリング


